第20話



 外は夕方からずっと雨がしとしとと降っていた。
(傘、持って来ればよかった…)
 濡れながら城下へ続く橋を渡る。星も月も見えない暗い夜に、街灯の光だけが道を照らしている。日中の出来事を思い返すと、自分の歩いている道はそんなようなものなのかもしれない、とライラは思い耽った。
 城下町の中でも城に程近い所に、宮廷騎士各々に貸与されている戸建がある。ライラもその一つを借りて暮らしている。鍵も取り出さず、ノブをそのまま捻り戸を開けると、明るいしゃがれた男性の声が聞こえてきた。
「よお、ご苦労さん。やっぱ濡れたか」
 レオンが奥から出てきて、タオルを放り投げる。結局この父は、この貸家に住み着いて、ぶらぶらと暮してしまっている。ライラにとってそれは迷惑でもあったが、心強いと思うことも多々あった。
「あ、…ありがとうございます」
 濡れた髪を拭きながら、何か考えて込んでいるような娘の顔を見て、レオンは首を傾げた。
「…何かあったのか?」
 その言葉に、ライラは手を止め、こくりと頷いた。
「ええ…。とても大きなことが」
 レオンは目をぱちくりさせてから、ライラに告げた。
「…ま、中に入ってメシでも食いながらにしようや。今日は特製のヤギ乳のシチューだ」
 その言葉にライラは安堵の笑みを浮かべた。こんな時に父が居てくれてよかった。そうライラは心底思うのだった。

 熱いシチューを食べながら、日中の出来事を、ライラはつぶさにレオンに語って聞かせた。レオンはすぐに渋い顔をし、話し終わるまでその表情を変えなかった。
「…『白天使』ねえ…。まあ、『堕天使』がいるんだから、居たっておかしくはない、かあ」
 スパー、とレオンはタバコをふかしながら感想を漏らす。
「でも、王子はサリのことを知っていたのに、積極的にこれまで何もして来ませんでした…。サリのためなのか、姫のためなのか、それとも…」
「国のため、さ」
 レオンがすぐに答える。
「『白天使』の実在が表沙汰になれば、天教も、この国も存在意義を無くす…いや、在り様が変わる。『白天使』の末裔が治める国へと。…それを許すわけにはいかないだろう」
「サリも、天教の権力構造が揺るぎかねないと言っていました。…もっとも彼自身は、権力を握りたいとか、そういう子じゃないですが」
「本人がそうでなくても、周りが持ち上げるのさ。ただでさえ、大衆の前で『白天使の声を聞いた』なんて言っちまってる。…それを道具として使う輩が出てくるのさ」
 ライラははっとした。あの時の壇上で、ヴィオルが行っていた事は正しくそうではなかったか。そう考えると、ライラの胸に怒りにも似た感情が浮かんできた。
「…権力を強固にする道具として…」
「王子は、サリをそんな風にしたくはなかっただろうな。可哀想に、あの坊主はこれから権力争いの只中に置かれるな」
 再びレオンはタバコをふかし、灰皿に押し付けた。
「けど、俺にはもう一つ、王子が積極的ではなかった理由があると思うけどな」
「え…?それは一体…」
 見当が付かず、ライラは眉間に皺を寄せた。
「…傍に居続ければ解る。お前なら絶対にな」
 にっと笑い、レオンは席を立つ。玄関へとゆっくり歩くのを見て、ライラは慌てて立ち上がった。
「ち、父上?どこに…」
「飲み会の約束を入れてるんだ。帰りは何時になるか解らねえから、鍵は閉めちまっていーぞ」
 傘を手に取り、レオンは雨が降りしきる外へと消えていった。


 同じ頃。
「…成程な…。昼間の件はそういう裏があったのか」
 王宮内の一室、ハサンの私室で、ヘディンが父ハサンに事の一部始終を報告していた。
「すみません、今まで隠していて…。状況証拠だけで判断するのは危険だと思い、誰にも言わずにおりました」
 テーブルを挟んで向かい側のソファに座る父に、ヘディンは頭を下げた。沈黙が訪れる。静かな室内に、雨音がかすかに鳴り響く。
「いや、こんな状態にならなければ、何も知らないまま、静かにここで人生を送らせてやるのが一番だったさ。…しかし『白天使』か…。思わぬ形で『堕天使』への対抗力を手に入れることになるとは」
「ええ…」
 喜ばしいことのはずなのに、ヘディンの声音は暗かった。それにハサンが気付く。
「不満そうだな?」
「…」
 ヘディンは視線を落としたまま、言葉を発しない。
「…何を悩んでいる?」
「それは…」
 言いたくても流石に言えない。その『白天使』は自分にとってきっと厄介な存在などと。
「言い辛いのか」
「…」
 黙りこくる息子を見て、ハサンは一つ咳払いをしてから、話を続けた。
「なら一つ、お前の気が楽になる話をしてやろうか。…『堕天使』の封印、あれは『一体何のために』あったと思う?」
 ヘディンははっとして父を見る。
「…どういうことです?」
「おかしいと思わないか。その封印を解くカギは『波長の合うものが一言名前を告げればいい』だけなんだ。…随分ズボラだよなあ?」
 ハサンの顔には、人を食ったような笑みが浮かんでいる。まるで何かを試しているかのようだった。ヘディンはそれに戸惑いながら答える。
「それは私も疑問に思っていました。復活させないようにするなら、未来永劫解けることのない封印を施せばよかったはずなのにと」
「そうなんだよ。そこで逆の発想をしてみろ。その封印は解けるべくして解けた。それが仕組まれていたことだとしたら?」
 父の言いたいことが解り、ヘディンは頭の中で繋がった言葉を口に出す。
「その人物の訪れを…待っていた?そして我々はその時が来るまで…『彼』を護っていた?」
 自分で紡いだ言葉なのに、信じられないという気持ちが込み上げてくる。わざと『彼』をタブーにして守ってきたというのか。守る理由は?そして、復活させる理由は?自分たちの存在意義とはなんだったのだろう。
 そんなヘディンの衝撃を知ってか知らずか、ハサンは黙って頷き、言った。
「そう。以前お前から『彼』の話を聞いてから、そういう考えもできるなと思うようになったんだ」
 『彼』を悪い人物ではない、と評したのは確かにヘディン自身だった。しかし、その一言だけで、これまで連綿と伝えられてきた歴史や伝説といったものを簡単に覆すことはできないはずだ。
「俄かには、信じられません…」
 自然と、ヘディンの口からそんな言葉が突いて出た。
「だろうな。これはあくまで仮説だ。…だが俺は、お前の直感を信じてる」
 同じ赤い瞳が、ヘディンに真っ直ぐ向けられる。自分の思いを信じ、悟ってくれている。そう思うと胸の内が軽くなり、ふっと笑みがこぼれた。
「少し…気が楽になりました。…でも、父上がそんな言葉を発していいんですか?もちろん私もですが…。天教に完全に背いてますよ?」
「天教というのは、一つの宗教…世界観に過ぎない。この仮説は、天教という世界観ではタブーとされているが、違う世界観で見たら、タブーでも何でもないのさ。…お前は既に、天教の世界観ではなく、違う世界観に身を置いて、現実に起こる事象を眺めている、それだけなんだ。そしてそれは悪でも何でもない。…カルディアの王子としてどうか、と問われると、難しいがな」
 ははは、とハサンは豪快に笑う。
「父上…」
「それに、だ。俺も時々思うんだよ。天教を広め、『呪い子』を増やし、悲劇が連鎖する…。『彼』と俺達、どっちが『邪悪』だろうかってな。親父はそれが当たり前だと思ってるが、俺はそうは思わない」
 悲しげにそう言ったハサンに、ヘディンも眉をひそめた。
「けど、俺はもう、王という立場でこの国を治めている。どんなことがあれ、多くの民が信じてきたこの『世界』を、守り通す使命がある」
「それは…私も同じです」
 ヘディンの胸がちくりと痛む。それは自分も背負うべき枷だ。しかし感情が、小さい頃に抱いた想いが、それを拒否している。またとないチャンスを、棒に振りたくはない。
「…いや。お前は、まだ自由の身だ。枷がはめられる前に、自由に生きてみろ。その結果、この『世界』にとって代わるようなものが現れたら…俺はその『世界』に全てを譲ろう」
「…?!」
 思いがけない父の言葉に、ヘディンは戸惑う。
「父上…ですが…」
「俺がいいって言ってんだ。けど、その『世界』は全員が幸せにならなきゃダメだ。…竜人も人間も、皆だ」
 胸がすく思いだった。痛みは消し飛び、代わりに熱い何かが込み上げてくる。
「は…はい!絶対に…見つけてみせます!」
 その熱い何かに突き動かされるように、ヘディンはそう言っていた。自分の進みたい道は間違っていない。その後ろ盾を得た気分になった。
「ああ、頼むぞ。…だが、俺も自分で言っててなんだが、この仮説、一つ気がかりなことがあるんだよな」
 そう言って、ハサンは頭を掻く。ヘディンはその懸念にすぐに思い当った。
「…ファーナのこと、ですか…?」
「そうだ。『波長の合う者』という要件、そしてそれを待っていたとしたなら…ファーナの身に何かが起こる…それが不安なんだ」
「『堕天使』にファーナの身を託したつもりが、それが彼の思惑通りだったと…?」
 納得できない話ではない。ファーナに用があるなら、ファーナの身を護るのも筋だ。自分の想いを受けたが故に一緒に旅をしているのではなく、それ自体が一つの目的だとしたら…?
「だとしたら一体、何のために…」
 ファーナの下に飛んで行きたい。行ってその身を護ってやりたい。その思いがヘディンの中で一層募っていった。


 城下の繁華街は、雨が降っていても賑わっていた。レオンはその一角の小汚い居酒屋に、濡れた傘を畳んでから慣れた様子で入った。カウンター越しにレオンの姿を認めた老齢の店主が、驚いた顔をして声を掛けた。
「これはまた…。懐かしい顔ですなあ…」
「マスターも変わらないな。で、もう来てるのかい?」
「大分前から見えられてますよ。…ああ、傘はそこに立てておいて下さい」
「おう、ありがとな」
 レオンは傘を傘立てに置いてから、無遠慮に店の奥へと向かい、店主の居住空間へと足を踏み入れた。そのまま2階へと上がり、その一室を開ける。
「よう、待たせたな」
「待たせたな…ではないですよ。何十分待ったと…」
 4人掛けのテーブルには、私服姿のシオンがむすっとした顔で腰掛けていた。
「いやあ、懐かしすぎて道に迷ってなあ。秘密の会合はココってまだ変わってねえんだなあ」
 頭を掻きながらレオンはシオンの向かいに腰掛けた。
「…で?何でまたここに俺を呼び出した?」
 シオンはむっすりとした表情を変えず口を開いた。
「先日お話されていた姫の『家出』の一件を、詳しく聞かせていただきたくて」
「…ふーむ…。こないだお前さんが帰ってきた時に言った通りだが?」
「貴方までしらばっくれるんですか。シャルから聞いてます。『王子の真意はどこか別のところにある』と貴方は考えてこのカルディアまで久方ぶりに出てきた。そして、聞けば最近は王子と昵懇だと言うではないですか。…貴方は何を知っていて、王子と結託して何を企んでいるんです?」
 その言葉にレオンは嫌そうな顔をした。
「その言い回し、まるで俺と王子が悪巧みしてるように聞こえるな」
「そうではないのなら、私にも打ち明けられるのではないですか?」
 しれっとシオンは言葉を返した。はーあ、と聞こえるようにレオンは溜息をついて、重い口を開く。
「…例えばだ。お前さんが『天使』だの『人間』だの関係なしに、正当に能力を評価されてこの国のトップに上り詰めることができる…そんなことはしたくはないか?」
「…私は既に、そのように評価されてこの宮廷騎士に招かれている…そう思っていますが」
 シオンはそこまで言って口を噤んだ。軍師にと、直接所望してくれたのは王だったが、もしかすると、ヘディンが進言していたのだろうか。
「ま、まあ…。今が実際そうだったとしてもだ。王宮内では『天使』の血統が絶対視され、どんなに出来のいい『人間』でも、政治に参画するのは至難の業だ」
「それは…貴方が王宮に抱いた不満なのではないですか?王子が…秩序を守る側の王子がそんなことを望むはずがない」
「いいや。王子はそれを望んでるんだよ。歴史だの伝統だの、…いや、覆すことが不可能な『血筋』だのにこの王宮で一人立ち向かおうとしている。それを達成させるために、どんな外的要因も使ってやろうって魂胆さ。…俺はその賭けに乗ったんだ」
 にっと、人の悪い笑みをレオンは浮かべる。シオンは、レオンの言葉がにわかに信じられず、目を瞬かせた。
「…まさか…。国を壊すとでも…?」
「有り体に言えばそうかもな。なるべく穏便に済ませたいが、…きっと血は流れることになる」
 あまりにも荒唐無稽な話に、シオンはいつの間にか握り拳を作り、ガン!と思い切りテーブルを叩いた。
「馬鹿なことを!『血』は絶対だ!そして、『天使』と『人間』は明らかに違う!雲を…いや、夢幻を掴むような話を本気でやろうというのですか?!」
 エルガードで学んでいた時代に、幼少から『光の貴公子』ともてはやされていたラークに明らかな実力差を見せつけられた。そんな忸怩たる思いがあるからこそ、シオンは余計苛立った。
「それを覆すことができるかもしれない…そんなきっかけが目の前で起きたとしたら?」
「…きっかけ?そんなもの…」
 シオンはそこで察した。王子が、レオンがひた隠しにしていることは、国の根幹を揺るがす大事だということに。
「…何が…何があったと言うんです?」
 それが、この数週間抱いてきた霧を晴らすものだ。大きな事が秘かに起きている。それは、カリーナが言っていた『怖い風』にもつながるのではないか。
「念のため聞くが、お前さんは天教徒か?」
「ええ。一応…。どちらかと言えば無神論者ですが」
「なら、城の真ん中の塔の伝説は知ってるな?」
 この前、ヘディンに問いただした時にさらりとかわされた話だ。やはりあれだったのか、とシオンは内心思う。
「ええ。王子に聞いたら何もないと仰ってましたが?」
「ま、そう言うでしょうな」
 どうやら当たりらしい。
「塔に封じられていた『邪悪』…それが解き放たれたと」
 ヘディンに問いただした時の言葉をもう一度言ってみる。
「簡単に言えばそういうことだ」
 思った通りの返事が返ってきたせいか、それほどシオンは動じていなかった。
「では、王子や貴方はそれに加担していると?」
「加担というよりは、放置だな。…大事な娘さんも預かってもらってることだし」
「まさか、姫のことですか?」
「ああ。…姫が、その封印を解いちまったんだよ」
「…!」
 シオンはその言葉に衝撃を受けた。そして、頭の中で全てが繋がった。
「…ヘディンは…成程、それで…」
 第三者である宮廷騎士を実際に行かせることで、「家出」という言質を取ってしまったのだ。実際起こったことは到底表に出せない話だし、ファーナ自らが進んで事実を言うこともないだろう。何かとうるさいヴィオルに対してもこれで一応は体面を保てている。
「姫のこともある。そして、王子は可能性を奴さんに賭けたのさ。…現状を打破する可能性をな」
 シオンは黙りこくってしまった。そんな危うい外的要因を使ってまで、そんなに今の秩序を壊したいのか。その結果、王子であるというアイデンティティを失ってしまうばかりか、それに付き従っている者達まで不幸にするかもしれないのに。
「そんなことを考えるに至った経緯は?貴方はご存じなのですか?」
「さあ、それは俺にも解らねえ。けど、今のあり方をどうにかしたいと思ったのは、お前さんを初めとした、多くの人々を見てきた結果、抱いた気持ちなんだろうさ。…できれば、その思いに応えてやってほしいんだがな」
 頬杖をついて、レオンはにっと笑う。その笑顔に、シオンは戸惑った。直接的ではなくとも、カリーナの言う『怖い風』が、魔獣の大量発生がそのせいだとしたら?笑って承諾できるわけがない。
「事情は分かりました。ですが、今の段階では、お味方できるとも何とも申し上げられません。ただ、このことは他言無用にいたしましょう」
「んー…そうかあ…」
 シオンの返答に、レオンが残念そうな声を上げた。
「今、このカルディアは平和です。まあ、国境で下らない戦争はしていますが。それをわざわざ壊しにいくなどということは、為政者としての在り方を疑います」
「だが、賽は投げられた。奴さんの存在が、その平和に揺らぎを生じさせちまった。…奴さんがいるってことは、その対存在もまた、現れる可能性があるんだからな」
 先ほどのライラとの会話を思い出しながらレオンは言った。サリエルは、いや『白天使』は、この時代に、世界に、どのような石を投じるのだろう。
「『白天使』ですか…。そう言えば、日中の魂送りの儀でそんな話がありましたね。今の話を考えると、ヘディンには都合が悪いな…」
 シオンはふと、後輩の心配をしてしまったことに気が付いた。ばつが悪くなり、口元を手で押さえて俯く。それを見て、レオンはにやりと笑っていた。
「…ま、頼むわ。俺も道連れが多いほうが何かと気が楽だ」
「ですから、私はまだ承諾してません…」
 困惑を隠せないまま、シオンは答えを返した。
「そんな顔すんなよ。折角だから朝まで飲もうぜ?そうすりゃお前さんの心の迷いも晴れるかも知れねえからな。…おーい、マスター!」
 レオンが大声で階下に声を掛けた。それを見て、シオンは深い溜息をついてぽつりとつぶやく。
「…はあ…。これではミイラ取りがミイラ、だな…」


 ぬるい風が吹く夜の大海原を、小型船が一艘、猛スピードで南下していた。漁船のようでもあるが、釣り道具などは一切無く、操舵室は正面を除き一面壁に覆われており、中が外からは確認できない。一言で言えば怪しい船である。
 操舵室の中には光る石が燭台の上に置かれており、明るさは保たれている。舵のすぐ下には大きな石版が置かれており、その中央から下の小さい島へ向かって、光が淡く点灯していた。
「この方向は…バイタルか。偶然とは言え、都合がいいな」
 男性の声が低く響く。
「まさに神のお導き…ってやつかもね。もしくは、飛んで火に入るなんとやら?」
 男性の後方から、無邪気そうな少女の声がした。
「ルナリア。お前の力が増幅される地とはいえ、相手は得体の知れない連中だ。ターゲットもそれなりの強さだと聞く。…油断はするな」
「解ってるよ、コークス。奴等の力は接触して測ってる。…全員油断はならない」
「それならいいが…。取り敢えずは先回りだ。スピードを上げるぞ」
「了解。どんどん行っちゃってよ」
 小型船はなお一層スピードを上げ、満天の星空の下、海原を駆けていった。

 
21話